COLUMN

コラム

ホーム

コラム

系統用蓄電池の用地探しで確認すべき6つの条件|候補地選定の基本を解説

2026.09.24

系統用蓄電池の用地探しで確認すべき6つの条件|候補地選定の基本を解説

系統用蓄電池の開発を進めるうえで、最初の大きな課題となるのが用地探しです。

土地を見つけることができても、

  • 系統連系の条件が合わない

  • 必要な面積を確保できない

  • 大型車両が進入できない

  • 災害リスクが高い

  • 農地転用などの規制に抵触する

といった理由から、実際の開発候補から外れることは珍しくありません。

さらに、系統用蓄電池を巡る系統接続の検討件数は大きく増えています。
資源エネルギー庁の資料では、2025年12月末時点で、連系済みの系統用蓄電池が約64万kWであるのに対し、接続検討受付は約17,200万kW、契約申込み受付は約3,000万kWに達しています。すべてが実際に連系するわけではありませんが、多数の案件が検討されている状況が分かります。

こうした環境では、「土地情報を集めてから1件ずつ調べる」のではなく、開発可能性の低い土地を早い段階で除外し、有望な候補地に調査リソースを集中させることが重要になります。

ここでは、系統用蓄電池の候補地を探す際に、最初に確認しておきたい6つの条件を解説します。

1. 必要な面積と土地の形状

まず確認したいのが、設備を配置できるだけの土地面積があるかどうかです。

ただし、単純に「○㎡以上ある」というだけでは十分ではありません。

蓄電池設備だけでなく、

  • PCSなどの関連設備

  • 受変電設備

  • 保守作業用スペース

  • 車両動線

  • 周辺設備との離隔

などを考慮すると、同じ面積でも土地の形状によって使いやすさは大きく変わります。

細長い土地や複雑に入り組んだ土地では、面積自体は十分でも設備配置が難しい場合があります。

そのため、用地探索の初期段階から面積と形状をセットで確認することが重要です。

2. 系統との位置関係

系統用蓄電池では、電力系統への接続可能性が事業性を大きく左右します。

候補地を見る際には、先述の土地そのものだけではなく、

  • 周辺の変電所

  • 送電線

  • 鉄塔

  • 想定する連系地点までの距離

なども確認する必要があります。

ただし、「変電所が近いから接続できる」と単純に判断することはできません。

系統用蓄電池の接続については、逆潮流側だけでなく充電時の順潮流側も考慮して接続可否が判断され、系統増強などが必要になるケースもあります。系統接続ルール自体についても検討・更新が続いています。

したがって、地図上での系統との距離はあくまで候補地を絞るための一次情報として利用し、その後、一般送配電事業者への接続検討などを進める必要があります。

3. 接道と搬入経路

蓄電池設備を設置するためには、工事車両や設備搬入車両が候補地まで到達できる必要があります。

そのため、

  • 道路に接しているか

  • 道路幅は十分か

  • 大型車両が進入可能か

  • 急カーブや狭隘区間がないか

  • 実際の搬入ルートを確保できるか

といった点も重要です。

地図上では道路に接しているように見えても、現地では幅員が不足していたり、途中に通行困難な区間が存在したりする場合があります。

初期段階では接道状況から候補を絞り込み、その後に航空写真、ストリートビュー、現地調査などを組み合わせて確認する方法が効率的です。

4. 洪水・土砂災害などの災害リスク

蓄電池は長期間利用する設備であるため、災害リスクの確認も欠かせません。

特に確認したいのが、

  • 洪水浸水想定区域

  • 土砂災害警戒区域

  • 高潮

  • 津波

  • 地形・地盤に関する情報

などです。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、洪水、土砂災害、高潮、津波などの情報を地図上に重ねて確認できます。

土地を発見してからハザード情報を確認するのではなく、候補地探索の段階から災害リスクを重ねて確認することで、後工程で候補地から外れるケースを減らせます。

5. 農地・土地利用規制

地方部でまとまった土地を探していると、農地が候補に入るケースもあります。

ここで重要になるのが農業振興地域制度農地転用許可制度です。

農用地区域内の農地は原則として転用が制限されており、区域からの除外が認められる場合でも、その後に農地法上の転用許可が必要になります。一方、いわゆる農振白地であっても、農地であれば農地法上の転用許可が不要になるわけではありません。

実際の開発可否については自治体や関係機関への確認が必要ですが、用地探索の初期段階で農振などの情報を確認できれば、明らかに難易度の高い土地を早めに除外できます。

6. 傾斜・地形

最後に確認したいのが土地の傾斜です。

傾斜の大きな土地では、

  • 造成工事

  • 擁壁

  • 排水対策

  • 設備配置

などが必要になり、造成費や工期に影響する可能性があります。

土地価格だけを見ると魅力的でも、造成費を含めると事業性が大きく変わるケースがあります。

そのため、候補地を探す際には平面的な地図だけを見るのではなく、標高や傾斜情報も合わせて確認しておくことが重要です。

用地探しで難しいのは「条件を一つずつ調べること」

ここまで紹介した条件は、それぞれ単独で調べること自体は難しくありません。

問題は、数十件、数百件、さらに広いエリアから候補地を探そうとしたときです。

例えば、

  1. 地図から空いている土地を探す

  2. 面積を測る

  3. 系統設備との距離を確認する

  4. 道路を確認する

  5. ハザードマップを見る

  6. 農振などの土地利用規制を確認する

  7. 傾斜を確認する

  8. 条件をExcelなどにまとめる

という作業を土地ごとに繰り返すと、大きな工数がかかります。

また、担当者によって確認する条件や判断基準が異なれば、候補地選定そのものが属人化してしまいます。

そのため、用地探索では「調査を速くする」だけでなく、

複数条件をまとめて確認し、同じ基準で候補地を絞り込める仕組みが重要です。

EneMap AIで用地探索の一次スクリーニングを効率化

EneMap AIは、系統用蓄電池・再生可能エネルギーの用地探索を支援する地図サービスです。

地図上で、

  • 土地・地番

  • 面積

  • 傾斜

  • 接道

  • 農振

  • ハザード情報

  • 送電線や変電所などの周辺情報

を確認しながら、候補地を絞り込むことができます。

さらに、条件に基づいて候補地を探索することで、従来は担当者が地図を見ながら1件ずつ行っていた用地探索の一次スクリーニングを効率化します。

まず広いエリアから有望な土地を絞り込み、その後の現地調査、行政確認、系統接続検討、地権者へのアプローチといった重要な業務に時間を使えるようになります。

「今の用地探索にどれくらい時間がかかっているか」
「自社の探索条件でどの程度候補地を絞れるか」

を確認したい方は、EneMap AIのデモで実際の探索画面をご覧ください。

EneMap AIのサービス紹介を見る

傾斜・農地・ハザードなどの条件から候補地を自動で絞り込む、EneMap AIの機能とデモのご案内

SERVICE

用地探索の一次スクリーニングを、AIで効率化。

EneMap AIは、傾斜・農地区分・接道・ハザード情報・系統設備との距離などの条件から、全国の候補地をAIが自動でチェックする用地探索サービスです。自社の探索条件でどこまで絞り込めるか、デモでご確認いただけます。

コラム一覧へ

RELATED

関連コラム